高崎城天守復元案

 本丸の現状

 yahooの地図に本丸を重ねてみました。現在NTT東日本の社屋と県道49号が通る場所にかつて本丸御殿があり、丁度簡易裁判所が建っている位置に本丸の大手枡形である梅の木郭がありました。
 国道17号と県道49号線により本丸の完全復元は不可能な状態となっており、平成23年に完成した市立中央図書館(健康保健センター)とその立体駐車場の建設によりさらに復元が困難な状況になってしまっています。
 
 

 高崎城天守復元案1

 そこで現実的かつ低コストな復元案として以下のようなプランを提案します。

 まずTSネットワーク高崎流通センター(旧JT倉庫)、NTT労働組合支部、NTTグループのテルウェル東日本群馬支社、NTT東日本の立体駐車場の敷地を買い取り整地、中央図書館脇の道路の西半分を廃止します。NTT社屋に付随した駐車場は移転が困難なので、現在平の駐車場になっている西部児童相談所の駐車場と、医療センターの移転により空いている駐車場を合わせ、2階建+屋根の立体駐車場を新設。中央図書館と同じ建物に移転し、空きビルになっている高崎地域医療センターを解体し、もてなし広場から天守を眺める事ができるようにします。

復元予定地現況

 用地を確保した後に発掘を行い本丸の土塁と堀の正確な位置を特定、その後本丸の土塁と堀、榎郭の土塁一部を復元。天守と本丸土塁上の塗籠塀を絵図に従い木造で忠実に復元した後、乾櫓を本来の位置に移築。かつて天守に保管されていたという大筒(大砲)のレプリカを作成し、天守横の大筒挟間に展示します。(大砲のレプリカが作られ屋外展示されている例に、大友宗麟が大砲を使って島津の軍を退けた大分県の臼杵城があります)

都而御塀絵図天守周辺

天保年間に描かれたと推定される高崎城断面図一部 塗籠塀の控え柱の位置を黒い点で表している

乾櫓横の十五番切戸と十七番挟間、天守横の十八番挟間と十九番切戸に振り当てられていた大筒。高崎藩武具・兵法等書上帳、天保10年(1839年)作

 その他に2階建て延べ600平方メートル程度の小規模な博物館を建設します。この建物の1階に管理事務所を設け、2階に高崎城関連の豊富な資料の一部を展示します。 
 駐車場は平の駐車場を100台分設置します。駐車場を立体にしない理由は美観に配慮するためのみならず、後に本丸西側の復元をする際の工事を容易にするためです。

 この案であれば建物の復元が天守と挟間付塗籠塀だけで済み、乾櫓を本来の位置に戻す事ができます。
 榎郭跡を広場にする事により外側から本丸の水堀越しに天守を眺める事ができるだけでなく、安中、榛名方面など広い角度から本丸土塁の上に建並ぶ乾櫓や塀、天守を望む事ができます。

復元した天守は烏川対岸からも良く見えると思います。

 

 復元案2・高崎市立博物館の併設

 

 復元案1からの変更点はNTT東日本の敷地を全て買収し、本丸広場をさらに広くするととも市立博物館を併設させるという案です。
昭和50年の計画では天守の復元と共に市立博物館が計画されましたが、これも未だに建設されていないので、高崎城の資料館と兼ねる形で本丸広場に建設すべきだと思います。(市立博物館については、平成三年に市の職員の有志による政策研究グループが作成したレポートに参考例を列挙し、市街地に市立博物館を建設する必要性が述べられています。また、城跡に博物館が隣接している例に、鶴岡城の致道博物館や、松本城の松本市立博物館などがあります。)

 
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